日々の経つのは本当に早いもので、以前の書き込みから早一週間が過ぎてしまいました。
30日まで「100枚のソフレ」展を行いましたが、毎日会場にいるうちにソフレ特有のギザギザ文様、いわゆるジグザグに少しずつはまっていくのを感じました。

展示したナンを包むナン用のソフレ、食卓用のダイニングソフレのいずれも両側からはっきりとした力強い、刺すようなジグザグ文様が中央に向かって織り込まれています。

ある人はバックギャモンのようだと。ある人は動物の骨のようだとか。ナイフの用でもあり、トラの毛皮の様でもある。
見る人により印象派様々でしたが、見ているうちに少しずつなにゆえに此処までジグザグにこだわるのかという疑問が湧いてきました。
きっと何かの意味があるのに違いないと。

尖った部分にはおそらく、悪い物をはね返すという魔よけ的な意味があるに違いない。ソフレには共通して食べ物を乗せるという機能があるので、このギザギザの文様の内側にナンやスープなどの食物をのせることで、ばい菌などの悪い物を払うという意味があるのではないか?まったく科学的な根拠はないのですが、オマジナイのように、お清めをする。そんな意味があるように思えるようになって来ました。

そうして見ていくと、どれにも少しずつ形状は違えども見事に尖った文様が見えてきます。
バルーチ族は先端がハリの様に細く尖った文様が多く見られます。
クルド族にはナイフのように細長いギザギザが多数見られます。
部族により多少の違いはあるけれど食べるということは万人に大切な事です。
お腹を壊すのも健康になるのも食べるという行為は、人にとっての原点といえるでしょう。
おそらくこの文様は、キリムなどの毛織物が始まって以来、相当に古い時期からあったのではないかと言う想像も出来ます。クルド族などはおよそ7000年もまえから遊牧していたのではないかといわれています。実際に羊の毛を刈り取る時に使われたと思われる、古代の石器なども出土しているようです。

このソフレは大変珍しく、縦糸が羊毛で、横糸(表面)が木綿で織られています。
裏側には、ペースト状の小麦粉がべっとりと付いていて、おそらくこの上で小麦と水を捏ねたのではないかと思います。まさに生活には欠かせないモノがソフレといえるでしょう。

●このジグザグ文様は、更紗などにも見られ鋸歯(きょし)文様と呼ばれ日本にも伝わっています。古渡りのインド更紗やインドネシアのジャワ更紗ににも良く見られるこの文様は海を越え伝わり江戸時代には、陣羽織として珍重されていたようです。

これは17世紀のインド更紗で仕立てられた陣羽織で山鹿素行が所持していたと伝えられています。
これを見ると新撰組の羽織を思い浮かべますがやはりこのあたりから来ているのでしょう。
伊達男として、知られる伊達政宗も更紗ではありませんが背中に大胆な南蛮渡来の帆掛け舟が描かれた異国情緒溢れる陣羽織を所持していたようです。

おそらくこれらにも、世界の先住民の民族衣装に共通する悪い物を払い、敵には強さを見せつけ異性にも受けるような、意味があったのではないでしょうか?
ジグザグに魅せられた2週間でした。

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