シャーセバン族について少々・・・。
▲アゼルバイジャン~ダゲスタンから北イランのモーガン山周辺の山岳地帯と高原地帯をテリトリーに遊牧生活をするのがシャーセバン族です。ペルシア語でシャーは王様をセバンは愛する者(あるいは友人)を意味しますが、技術・配色・デザインのすべてに卓越したセンスをもつ彼らの毛織物は、とびぬけた評価を得ています。
標高の高いところを移動する彼らは、チベットやアンデスの人々と同様の覚醒した色彩感覚と常に天に近い場所を住処とする故の、宇宙的ひらめきのともいえるデザイン感覚を併せ持ちれらを彼ら独特の技法(スマック織り)でセンス良く織り上げます。
動物や鳥などのモチーフには洗練と遊び心が上手く混ざり合い独特の面白さをかもし出しています。


ミヤネ(イラン北西部)周辺のシャーセバン族のキリムの部分


ハシュトルードの珍しいパイル(絨毯技法)の部分
マフラシュ(布団袋)やサドルバック、ヴェルネアと呼ばれる掛け布やホースカバーなどがとくに素晴らしく、そのオリジナルの古いものは年々入手が難しくなっています。ベビークレードル(子供の揺り籠)としても知られるスマック織りのマフラシュは移動の時はラクダやロバの背中に振分けて乗せられ、布団や毛布などの荷物袋として使用される便利ものですが、10年程前は、トルコのイスタンブールでも見つけることは可能でしたが、このところは古くて状態のいいものはほとんど見つかりません。イランのタブリーズで見つけましたが、驚くほど高価でした。


マフラシュこれをひっくり返すと揺り籠になる。


サイドパネル(スマック織り)

上の部分

▲このような理由から欧米でのコレクターや愛好家も、年々増えていて古くて状態の良い物を探すのはとても難しくなっています。最近は上のマフラシュをばらしたモノ(サイドパネル)が市場に出ている事が多くなっているようです。


ジジム(縫い取り織り)によるマフラシュのサイドパネル


スマック織りによるサドルバックの部分
▲マフラシュに良く使われる、スマック織り(巻き取り織り)やキリム(綴れ織)、織り柄が浮き上がるジジム(縫い取り織り)、パイル(絨毯)など等、多様な織り技法を駆使して,鮮やかで宇宙的感覚のモチーフを表現しています。シャーセバンにかんする研究書は、数多く出版されています。

john.t.wertime氏によるスマック織りのバックだけを集めた本。とにかく最近では入手の困難な素晴らしいものばかり集めています。写真も綺麗で美しい。
こういうコレクターが多くなると、現地からはモノが一気に消えていく・・・。悲しいですが欧米市場には太刀打ちできません、今のところ・・・。
【Sumakbags of Northwest Persia &Transcaucasia】 
HALI BOOKS

【Flat weven Rugs&Textiles from the Caucasus】
Robert H.Nooter 著こちらもシャーセバン族の平織りを中心に収集した本で、コーカサス地方を収集した時の写真などが前半に収められ、後半は敷物、掛け布、袋物、動物の飾りなどに分類された毛織物が目いっぱい載せられている、面白いのは最後のページにすべてのものに値段が付いている事、銀行家であるらしい著者のらしい本となっている。
A Schiffe Book

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